白石達也〜セレブの日常〜

白石達也は裕福な家庭に生まれ、家を継ぐ者として、幼い頃から徹底して帝王学を叩きこまれてきました。
この言葉だけ聞くと、彼はいかにもお高くとまった金持ち男子というイメージを持たれてしまうかもしれません。しかし、彼は、私のようないたって普通の人間にも優しくて、スマートな好青年です。「福岡家の人間たる者、すべての人を幸せにする人格者であれ」というのが、彼の家の家訓となっているそうで、本人もその家訓を忠実に実行し、爽やかかつ誠実で優雅に生きています。それゆえ、誰からも尊敬される人格者なのです。
「自分の人生は、生まれた瞬間から定められていた」と語る白石達也ですが、彼は自分が金持ちであるということに対して何の引け目も感じていません。むしろ、それを当然のこととして受け止め、より人々から尊敬を集められる人間となれるよう、日々研鑽を重ねているのが、門外漢の私の目から見てもよくわかります。
おそらく、彼は彼なりに迷いや悩みを抱えることもあるのでしょう。それを他人には決して見せないのが、白石達也の強さです。一度、疑問に思って「君はどうしてそんなに悩まずに生きていられるの?」と尋ねてみたことがあります。すると、彼はあっさりとこう言い放ちました。「何故って、悩んでいる時間がもったいないだろう。そんな暇があるのなら、もっと自分自身を向上させるために使ってみせるさ」
そのあまりの自信満々な態度を見ているうちに、「嫌味な奴だな〜」という気分を通り越して、だんだん笑いが込み上げてきました。ここまで達観してセレブ道を突っ走られてしまうと、いいぞ、どんどん行け!行ける所まで行ってしまえ!という気持ちになるものです。
彼にはそのような、嫌味を嫌味とも取らせないような謎の説得力と、実力に裏打ちされた自信とが備わっているのです。「叶わないなぁ」と苦笑すると共に、これがカリスマ性というやつなのかなと思います。

白石達也の行動のすべては何かとスケールが大きくなりがちですが、実は彼は、意外と庶民的な一面を持ち合わせていたりします。
全くの一般市民の私とスーパーセレブな彼との出会いが、まさに庶民的なものでした。我が家の近所にある、小さなラーメン屋。ここは知る人ぞ知る名店で、タクシーの運転手さん達などが口コミで美味しさを広めているものの、雑誌やテレビの取材はNGという隠れ家的な穴場です。
私と白石達也は、ここで出会いました。名物の醤油ラーメンに舌鼓を打っていると、隣に座っている青年が、やたらと綺麗な黒髪を何度もかき上げながら、必死にフーフーと麺に息を吹きかけているではありませんか。
そうです。彼はラーメンが大好きで、なおかつ極度の猫舌だったのです。
「アツッ!」「は…ハフッ!!」などと、やたらとリアクションの大きい彼を眺めているうちに、私はだんだんおかしくなってきて、「そんなに急いで食べようとしなくてもいいんじゃないですか?」と、つい話しかけてしまいました。すると彼は、突然パタリと箸を置き、真剣そのものの表情で私のほうに向き直って、こう言ったのです。
「いえ、そういうわけにはいきません。一刻も早く口に入れなければ、せっかくのラーメンが伸びてしまうから。最高の料理には、頂くこちらも最高の礼を尽くさなければなりません。違いますか?」
たかだかラーメン一つに、ここまで熱くなって真顔トークする人がいるなんて!一体何者なの、この人は。なんて変な人なんだろう!−思えばそれが、白石達也と私との出会いでした。そこから早10年が過ぎて、まさかこんなに長い間の付き合いになるなんて思いもよらないことでしたが。
彼は本当に、何事に対しても大真面目で、全力で取り組む人間なのです。こんなに他愛のないエピソードにも、彼が愛される理由が垣間見えるような気がします。

白石達也は真面目でカリスマ性があるのに、お茶目で庶民的です。欠点のないスーパーセレブのように見える彼ですが、最近二人で会った際に、こんなことを口にしました。
「皆が俺を、恵まれていると言う。金も地位もあって羨ましいと言う。だけど、俺自身は自分のことをそんな風には思えない。俺は好きで金持ちの家に生まれてきたわけではない。時には自由に、誰にも縛られない世界へ羽ばたいていきたいとさえ感じる。こう思うのは単なる逃げなのだろうな。だが、あらかじめ引かれたレールから決して道を踏み外せない、踏み外すことを許されない人生というのも、なかなか辛いものだぞ」
「何かあったのか?」と尋ねる私に、彼はフフッと柔和な笑みを浮かべ、「俺はスーパーマンなんかじゃないよ」と一言。それ以降は二度とこの話題に触れることはありませんでした。
一般庶民の私は、単純に、将来の不安が何もない白石達也の人生が羨ましくて仕方がないように思えてしまいます。しかし、生まれながらに約束された人生を歩まなければならないことへのプレッシャーは、凡庸な人間では計り知れないほど大きいものなのかもしれません。彼は日々、そのプレッシャーと闘いながら生きてきたのかもしれないのです。今までも、そして、これからも。
さすがに心配になり、その夜遅くに、私は彼にメールを送りました。「お前がスーパーマンだから一緒にいるのではなく、白石達也という人間が好きだから一緒にいるんだよ」と。
すると、彼からはこんな返信が届きました。「ああ、ありがとう。心から感謝しているよ。これからも、俺と一緒にいてくれ」
私たちの友情は続いていくでしょう。これから先も、ずっと。

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